【関西電力など電力事業者3者】福井県内原発 活断層連動「考慮は不要」 but 「熊川断層を加えた3 連動では1.8 倍の1260 ガルになる」(石橋克彦氏)「3つの活断層の連動を評価すれば、大飯3・4号の耐震安全性は成り立たない」
【読売新聞】県内原発 活断層連動「考慮は不要」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20120229-OYT8T01032.htm
活断層の連動性が影響しないとの評価結果が出た関西電力大飯原発。手前から1、2、3、4号機(本社ヘリから)
県内の原発周辺の複数の活断層が連動して動く可能性を再検証していた電力事業者3者は29日、「新たに連動を考慮する必要はない」とする調査結果をまとめた。再稼働の前提となるストレステスト(耐性検査)の審査が最も早く進む関西電力大飯原発も問題はなく、テストの結果に影響しないと結論づけた。
経済産業省原子力安全・保安院が5キロ以上離れた断層同士が連動して地震を起こすことと、断層が動いて地盤内の力のバランスが変わる可能性を踏まえた再検証を指示。3事業者が文献を調べたり、地盤がひずむのにかかる時間などを計算し、連動する頻度が100万年に1度未満〜46万年に1度など、非常に低いことを確認した。
このうち、専門家から大飯原発近くの断層との連動の可能性を指摘された熊川断層について関電が影響を計算。想定を1割程度上回る揺れが生じる可能性があるが、耐性検査で1・8倍の余裕があることから「連動に伴う地震が発生しても問題ない」とした。
◇
関電は同日、大飯原発敷地内の斜面について、想定される地震に対して安定性の余裕があるとする評価結果を報告した。美浜原発は3月に、高浜原発は4月に報告する予定。
(2012年3月1日 読売新聞)
(美浜の会HPより)
3つの活断層の連動を評価すれば、大飯3・4号の耐震安全性は成り立たない
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/activefault_rep20120204.pdf
◆関西電力が連動を評価しているのはFo-B とFo-A 断層だけ(約35 ㎞)
→基準地震動700ガル。
◆これに、熊川断層を加えて3つ活断層の連動を考慮すれば(約60 ㎞)
→基準地震動は1,260ガルを超える(石橋克彦氏)
◇原子力安全・保安院は1月27日、これまで5㎞以上離れた活断層で連動を否定していたものについては、連動の可能性を検討し、結果を2月29日までに報告するように電力各社に指示を出しました。
◇下記のように、3つの活断層が連動して動くことを考慮した場合、大飯原発3・4号の耐震安全性は成り立たなくなります。ストレステストの前提は崩れてしまいます。2月8日の「ストレステスト意見聴取会」で結論をだせる状況ではありません。運転再開などもってのほかです。
FoA-FoB の連動で現行700 ガル。熊川断層を加えた3
連動では1.8 倍の1260 ガルになる(石橋克彦氏)。
⇒上表機器すべてで、評価値が評価基準値を上回る。
「大飯原発3・4号の運転再開を止めよう! 2月4日関西びわこ集会」資料より(美浜の会 2012.2.6)
【読売新聞】東海第二原発周辺、活断層の連動「否定できず」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120229-OYT1T00895.htm
茨城県の東海第二原子力発電所、東海再処理施設の周辺の2か所で、「複数の活断層が連動する可能性を否定できない」とする報告を日本原子力発電と日本原子力研究開発機構が29日、それぞれ経済産業省原子力安全・保安院に提出した。
いずれも活断層の総延長が単独の2倍(約40キロ・メートル)に延び、両施設で想定される地震の揺れの見直しを迫られる可能性もある。
連動の検討は、東日本大震災を踏まえ、保安院が原子力施設を持つ14事業者に指示したもの。2施設と再評価を検討中の北海道電力以外は「評価を変える必要はない」と結論付けた。
ただ、関西電力は、再稼働を目指す大飯原発について、活断層が連動した場合の「ストレステスト(耐性検査)」の計算も発表。1・8倍としていた地震に対する施設の余裕度が1・6倍に下がるものの、「十分に余裕がある」とした。
(2012年3月1日08時39分 読売新聞)