バイバイ原発・京都 のブログ

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今日の京都新聞コラムに米澤鉄志さん、「ぼくは満員電車で原爆を浴びた」の記事

 宇治市の米澤鉄志さん(79)は小学5年生だった。疎開先から広島市内の祖父母宅を訪ねに、母と満員の路面電車に乗っていた。爆心地から約700m。ピカッと光って、すさまじい音がした。爆風で乗客は折り重なって倒れ、突き刺さったガラス片で血まみれになった・・・。米澤さんが語るのを、京都市内の集まりで聞かせてもらった。
 母子とも助かったのは、すし詰め状態の電車の真ん中にいたから。外に出ると真っ暗、黒い雨が降る「生き地獄」を歩いた。たどり着いた疎開先で嘔吐と高熱に苦しみ、頭髪がすべて抜けた。母は終戦のころに亡くなった
 体験の語り部を続けている米澤さんが初めて、「ぼくは満員電車で原爆を浴びた」(小学館)という本を先月出した。福島第一原発事故に衝撃を受けたからだ。「これまで原発放射線の恐ろしさをあまり語らなかった」被爆者としての責任を感じたという
 きのう平和祈念式で松井一実広島市長は、日本政府がインドに原発を売り込む原子力協定交渉を批判した。参列した安倍普三首相はどう聞いたろう
 米澤さんは福島の子どもたちを心配する。内部被曝の不安、転校先でのいじめ。自身が体験したことだ。核廃絶の願いは核兵器だけでなく原発にも向かうべき。今夏も広島に帰り、語りかけている。(京都新聞8月7日コラム)