◆11月21日原子力規制委員会での越畑火山灰問題の決定を踏まえた7団体の見解
関電3原発、火山灰想定を再評価へ 「過小」の可能性
https://www.asahi.com/articles/ASLCN7GKHLCNULBJ02B.html
原子力規制委員会は21日、関西電力美浜、大飯、高浜の3原発(いずれも福井県)の火山噴火による降灰量が想定より多かった可能性があるとして、3原発への影響を再評価することを決めた。運転中の4基の停止までは求めない見通し。規制委が新規制基準に適合すると認めた原発で、自然災害の影響評価のやり直しは異例だ。今後、具体的な方法などを決める。
福井3原発、噴火の影響見直しへ 鳥取・大山の降灰、想定超か
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018112101001991.html
2018年11月21日 17時58分 東京新聞/TOKYO Web
[見解]
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◆11月21日原子力規制委員会での越畑火山灰問題の決定を踏まえた7団体の見解
http://www.jca.apc.org/mihama/saikado/7grp_kenkai181121.pdf
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原子力規制委員会・規制庁は、関電の主張を全て否定し、下記を確認
○ 越畑地点の大山生竹火山灰(DNP)層厚は25cm
○ DNPの噴出量は12.2km3
○ 若狭の原発の規制対応を早急に実施する
◇火山灰層厚10cmで許可を受けている大飯・高浜原発は直ちに運転を停止せよ!
◇層厚10cmを前提にしている火山灰対策:
非常用ディーゼル発電機フィルター能力等の保安規定の審査もやり直せ
私たちはこれまで、越畑火山灰層厚26cm以上を認め、原発の運転を停止するよ
う求め、11月16日には規制庁交渉も行ってきた。
11月21日の原子力規制委員会定例会合で、越畑地点の火山灰問題が議論された。
規制庁は10月29日の越畑現地調査を踏まえた見解を示した。その内容は、関電の
これまでの主張を全て否定している。
[規制庁見解 右の1〜6頁 https://www.nsr.go.jp/data/000253608.pdf]
越畑地点のDNP層厚について関電は、①ラミナの存在、②2a層と2c層の区
分、③礫の混入を根拠として、越畑地点は層厚評価には使えないと主張してき
た。しかし、これらすべてを否定して、2a層・2c層は一連の火山灰層とし
て、風化帯も含めて「越畑地域のDNPの降灰層厚を25cm程度として評価す
る」と結論付けた。
DNPの噴出量について関電は、約4〜5km3と評価し、「越畑地点の層厚は
1cm程度」と主張していた。これに対して規制委・規制庁は、新たに基準点を追
加して、噴出量は12.2km3とし、越畑等の各地点の層厚を「概ね再現でき
た」としている。再稼働審査で許可を受けた噴出量の2倍以上の量を認めたこと
になる。
担当の石渡委員は、「規制庁の評価が妥当」と強調した。委員会の最後に更田委
員長は、「今日の結果を新知見として捉え、規制に反映させる。どう反映させる
か、時間をおかずに早急に取り組んでほしい」と述べ、規制庁長官は案を提出す
ると答えた。
大飯・高浜原発は、新基準適合性審査で、火山灰層厚評価は10cmで設置変更の
許可を受けて稼働している。鳥取県大山から越畑と両原発は同様の距離にある
(約190km)。越畑地点の火山灰層厚が25cmと確定した現在、風向によって両
原発の層厚評価も25cmとなる。
規制委員会は、大飯・高浜原発の許可を取り消し、運転を停止すべきだ。そのう
えで、火山灰層厚25cmで審査をやり直さなければならない。
また、火山灰対策についても現在審査が進んでいる。審査は、火山灰層厚10cm
を前提にしている。そのため、建屋の強度評価や非常用ディーゼル発電機のフィ
ルター能力の審査も全てやり直さなければならない。
2018年11月21日
避難計画を案ずる関西連絡会/グリーン・アクション/
原発なしで暮らしたい丹波の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/
国際環境NGO FoE Japan/福島老朽原発を考える会/原子力規制を監視する市民の会
連絡先団体:
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580 FAX:06-6367-6581
原子力規制を監視する市民の会
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