バイバイ原発・京都 のブログ

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【京都新聞+毎日新聞】 飯田哲也さんが龍谷大学と京都女子大学のシンポジウムで講演、570人が参加(2011年7月23日)


公開講座原発是非、熱く討論 専門家招き−−京都女子大 /京都
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20110724ddlk26040280000c.html

 ◇推進派「信頼を回復し、主力に」/反対派「安全審査は全く空っぽ」

 京都女子大(京都市東山区)で23日、「私たちのエネルギーの未来は? 大震災と福島原発事故を受けて」と題した公開講座があった。日本原子力学会元会長の斎藤伸三さんが原発維持を、NPO法人「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也さんが「脱原発」と再生可能エネルギー促進をそれぞれ説き、真正面から意見を闘わせた。【太田裕之】

 小波秀雄・現代社会学部教授の司会で学生や市民ら約120人が参加。斎藤さんは原発推進史を振り返りつつ、再生可能エネルギーは「不安定」などと課題を強調。「原発の信頼を回復し主力電源に」と訴えた。放射性廃棄物の問題には言及せず、参加者から質問されても「極めて重要な問題」などと述べるにとどめた。

 飯田さんは福島の原発事故について「“原子力ムラ(村)”が起こした。上層部が無能で太平洋戦争と同じ。そんな日本人の底の浅さを見つめ直さないといけない」と指摘。「これまでの安全審査は全くの空っぽで、他の原発もすべて安全基準も損害賠償への備えも無効。無車検・無保険運行だ」とも述べた。

 原発の1キロワット時当たりの発電コストを5〜6円で安価とする政府のデータには「減価償却期間を延ばすなどの操作がある。自分が1基ずつ現状を調べると平均15円だ」と指摘。「放射性廃棄物や事故のコストを反映させれば30円くらいになるのではないか。世界の市場では原発はリスクが大きすぎて投資されない」と述べた。ドイツでの成長などを例に再生可能エネルギーへの転換を訴え、経済効果もあると強調した。

 これに対し、斎藤さんは「誤解がある。安全審査は厳しくなされているし、再生可能エネルギーには課題が多くコストも高い」などと批判。飯田さんは、安全審査は外部からの危険性指摘を無視してきた▽再生可能エネルギーの課題は技術的な問題で解決可能、などと反論。「根本的には何万年も残る核廃棄物を生み続けるのかという倫理の問題だ。今回の事故を経験しても変わらないのなら将来の世代に申し訳が立たない」と語った。

毎日新聞 2011年7月24日 地方版