【注目記事】独、再生エネが原発抜く 総発電量の20%に拡大 日本は設備導入遅れ太陽光世界シェア49%→13%へと急転落、風力シェアわずか1%(総発電量のわずか3%)
再生可能エネルギー 発電量(GWh) 割合(%)
太陽光発電 2,311 0.2%
風力発電 3,248 0.3%
地熱発電 2,765 0.2%
小水力発電 17,236 1.5%
バイオマス発電 11,545 1.0%
合計 37,104 3.2%
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「メルケル首相は議会での演説で、「『福島』が原子力に対する私の見解を変えた」と表明。原発事故について「ひとたび起こればその結果は、空間的にも、時間的にもきわめて深刻かつ広範囲であり、他のすべてのエネルギー源がもつ危険をはるかにしのぐことになる」とし、「われわれは再生可能エネルギー時代を達成する」と決意を明らかにしていました。
具体的には、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を50年までに60%に、電力消費に占める割合を80%にまで高めるとの目標を掲げています。」
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【共同通信】ドイツ、再生エネが原発上回る 11年、20%に拡大(12/18 18:03)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/338678.html
【ベルリン共同】2022年末までに設置されている原発17基を全て閉鎖することになっているドイツで、今年の電力発電量に占める再生可能エネルギーの比率が約20%となり、初めて原発を上回る見通しとなったことが分かった。電力会社などが加盟するドイツ・エネルギー水道連盟が18日までに発表した。
東京電力福島第1原発事故を受け、原発計8基が稼働停止していることが大きな要因。官民挙げて再生可能エネルギー普及に力を入れていることも背景にある。
【TBSニュース】再生可能エネ、独で原発上回る見通し
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4904900.html
「脱原発」を決めたドイツでは、風力など再生可能エネルギーの発電量が、今年初めて原子力発電を上回る見通しであることが明らかになりました。
これはドイツの業界団体・エネルギー水道事業連盟が16日発表したもので、2011年の発電量の内訳は原子力が18%にとどまるのに対し、再生可能エネルギーは20%を占めると予測しています。
このうち、風力は8%と去年より2ポイントも増えていて、担当者は「予想以上の伸びだ」と話しています。一方で、国内にある17基の原発のうち、現在稼働しているのは9基で、原子力発電の割合は徐々に減っています。
ドイツは2022年までの「脱原発」を決め、再生可能エネルギーへの転換を目指すとしていて、今後は、風力などで発電された電気を供給する送電線の整備などが課題となっています。(17日10:24)
【しんぶん赤旗】独、再生エネが原発抜く 総発電量の2割に拡大
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-19/2011121907_01_1.html
ドイツのエネルギー・水道事業連盟(BDEW)はこのほど、同国での今年の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合が、原発を上回る見通しになると発表しました。BDEWは、ドイツの電力・ガス市場で9割を占める1800の事業者から成る連合体です。
報道によると、再生可能エネルギー発電の割合は昨年の16・4%から今年は19・9%に拡大しました。全体で火力発電に次いで2番目。一方、原子力発電は22・4%から17・7%に低下する見込みです。
再生可能エネルギーのうち、風力発電は6・0%から7・6%、バイオマス発電は4・4%から5・2%、太陽光発電は1・9%から3・2%へとそれぞれ増加しています。
ドイツではメルケル政権が、3月の東京電力福島第1原発事故後に高まった「原発反対」の世論を背景に、2022年までに17ある原発を全廃する方針を決定するとともに、将来のエネルギー供給の最大の柱を再生可能エネルギーとすることを打ち出しました。
その際、メルケル首相は議会での演説で、「『福島』が原子力に対する私の見解を変えた」と表明。原発事故について「ひとたび起こればその結果は、空間的にも、時間的にもきわめて深刻かつ広範囲であり、他のすべてのエネルギー源がもつ危険をはるかにしのぐことになる」とし、「われわれは再生可能エネルギー時代を達成する」と決意を明らかにしていました。
具体的には、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を50年までに60%に、電力消費に占める割合を80%にまで高めるとの目標を掲げています。
【NHKニュース】ドイツ 再生エネ発電が原発上回る
12月18日 8時26分
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、将来的に国内すべての原発を廃止することを決めたドイツで、総発電量に占める風力や太陽光など、再生可能エネルギーの割合がことしおよそ20%に達し、初めて原発の発電量を上回る見通しとなりました。
これは、ドイツの電力会社などが加盟するエネルギー・水道事業連盟が、16日に発表したもので、ことし1年間のドイツ国内の総発電量を試算したところ、▽石炭やガスによる火力発電がおよそ57%で最も多く、▽2番目に多かったのが風力や太陽光などの再生可能エネルギーで、去年より3.5ポイント増えて19.9%でした。
一方、▽原子力発電は、福島第一原発の事故後、国内17基の原発のうち、8基が運転をやめたことから、去年の22.4%から17.7%に低下し、再生可能エネルギーが初めて原発を上回りました。
再生可能エネルギーの内訳は、▽風力発電が7.6%、次いで▽バイオマス発電が5.2%、▽太陽光発電が3.2%などとなっています。ドイツは、福島第一原発の事故を受けて、2022年までに国内すべての原発を廃止する方針を決めています。
今回の結果について、エネルギー・水道事業連盟は、「再生可能エネルギーの割合が増えたことは喜ばしいが、天候に大きく左右されるなど安定性に欠ける面もあり、中心的な電力源になるまでには時間がかかる」と分析しています。
【産経新聞】独の代替電力 民間着々 脱原発政策、生き残りへ独自に設備投資
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111217/mcb1112170500004-n1.htm
2011.12.17 05:00
送電線に囲まれるようにして立つ、独リンゲンにある原発の冷却塔。脱原発政策を進めるドイツでは電力不足に備え民間が独自対応を急いでいる(ブルームバーグ)
東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け脱原発政策にかじを切ったドイツで、民間企業各社が代替電力確保の取り組みに追われている。政府と国内エネルギー企業による火力・風力発電への移行が難航するなか、電力不足への不安が高まっていることが背景にある。
ドイツ南西部のバーデン・ビュルテンベルク州で自動車部品などに使用されるアルミ製品の鋳造工場を経営するマティアス・シューレ氏(44)は、工場が突然の電力不足に見舞われる事態を懸念する。今年3月、独政府が同工場から車で30分のところにある原発の稼働を停止したことで、電力の安定的な供給が危ぶまれているためだ。父親の代から54年にわたり操業を続けてきたシューレ氏の工場は過去30年間、必要とする電力を同原発からの供給でまかなってきた。
◆停電30分で大損失
同氏によれば停電が30分続いた場合、鋳造工程に重大な支障が生じ「たちどころに2万ユーロ(約203万円)の損失が出る」という。3月に原発が稼働を停止して以降、同工場の電力はオーストリアの発電所からの供給に支えられている。
2010年、ドイツ国内の発電量は原子力由来のものが23%を占めた。政府が22年までに閉鎖するとしている原発の総発電能力は2150万キロワット。この不足分を補うためには火力発電所の増強と沖合風力発電の設置、さらに総延長距離3600キロメートルに及ぶ送電網システムの新規構築が急務だが、関連企業との具体的な協議は難航しているのが実情だ。シューレ氏は「代替電力の供給が目下の需要に見合うペースで実現するとはとても思えない」と、ため息をつく。
家族経営企業47万社のほか多くの世界企業が本拠地を置くバーデン・ビュルテンベルク州は、南ドイツきっての産業集積地だ。同州が脱原発型の電力供給システムにスムーズに移行できるかどうかは、ドイツ全体のエネルギー政策の行方を左右する試金石にもなるとみられている。
これまでのところ、国内エネルギー企業各社は政府に対し、石炭や天然ガスを使用する火力発電所の新規建設に関する同意を表明していない。大手のエーオンが政府の脱原発政策に異議を唱える申し立てを連邦憲法裁判所に提出するなど、両者の足並みはそろわないままだ。原発の停止措置により巨額の損失を計上する同社は、最大1万1000人に上る人員削減を進める。
またバーデン・ビュルテンベルク州に本拠を置くエネルギー企業、EnBWは3月以降、原子炉4基のうち2基の稼働を停止。この影響で11年1〜6月期(上期)の決算は5億5200万ユーロの赤字に転落している。同社が1〜9月期に行った投資の17%は、バルト海沖の風力発電計画を含む複数の再生可能エネルギー事業に振り向けられたが、それでも全体の投資額は9億2600万ユーロと、前年同期比で43%の縮小を余儀なくされた。
発電能力の増強と同時に求められる送電網の拡充には、業界全体で100億ユーロの費用を捻出する必要があるとされる。バーデン・ビュルテンベルク州のフランツ・ウンターシュテラー環境担当相は、こうしたコストが電力価格に転嫁されることを認めながらも、値上げは「ごく小幅にとどまる」との見方を示した。また同州並びに、隣接するバイエルン州の電力供給について同相は、国内とオーストリアの火力発電所から予備の電力210万キロワットを得られるとの試算を引用した上で「向こう2年間、冬場の停電は起きないと保証する」と述べた。
◆ガスや太陽光に活路
それでも民間企業各社は、電力価格の値上がりや供給能力の縮小を見越した独自の対策に乗り出している。自動車メーカー大手のダイムラーは、工場内の電力消費量削減を進める一方、3800万ユーロあまりの資金を投入してガスタービン付きの新たな発電設備を13年までに導入する方針だ。同社広報担当者が明らかにした。対象となるシュツットガルト近郊の工場は、総面積300万平方メートルで従業員数は2万7000人。昨年は46万台を超える車両を製造するなど世界最大規模の生産能力を誇る。
またスポーツカーメーカーのポルシェも、同じくシュツットガルト近郊にある物流拠点の電力供給システムに太陽光発電を採用。施設の屋上に8500枚あまりの太陽光パネルを設置し、年間約200万キロワット時の電力をまかなっているという。同社広報担当者が電話インタビューで説明した。(ブルームバーグ Stefan Nicola)
【東京新聞】再生エネ 遅れる設備導入
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011121702000031.html
2011年12月17日 朝刊
原子力発電の減少分を補う役割が期待される再生可能エネルギーで、二本柱となるのが太陽光と風力。双方とも技術開発では日本が世界のトップを走るものの、設備導入量は世界的な加速化の潮流から後れを取っている。原発を将来の主軸に据えて再生エネを重視してこなかったエネルギー政策の影響で、二〇一二年度予算案では再生エネへの後押しが期待されている。 (宮本隆彦)
エネルギー白書などによると、〇二年末の時点で日本は、太陽光発電の導入量が世界全体のほぼ半分を占めトップ。風力発電も十位につけていた。しかし七年後の〇九年末には、太陽光が世界の13%で三位に後退。風力も一〇年末に十二位へと順位を下げた。特に風力では、〇二年末には日本よりわずかに多い九位だった中国が、政府の強力な後押しを受けて世界首位に躍り出たのとは対照的だ。
普及の遅れは再生エネを重視しなかった政策のツケだ。二〇〇〇年のドイツを皮切りに、相次いで電気の固定価格買い取り制度を設け、再生エネ発電をビジネス化した欧州各国に対し、日本の制度スタートは来夏から。それも菅直人前首相が自らの退陣と引き換えに法案を成立させた末のことだ。
導入促進には企業や投資家が「再生エネはもうかる」と思える制度設計が必要だが、政府の取り組みは心もとない。事業化の重要な判断材料となる買い取り価格・期間が、制度開始が間近に迫る来春まで決まらないためだ。
東日本大震災後、ソフトバンクが主導して全国の自治体と設立した「自然エネルギー協議会」。十一月に都内で開いた第二回総会でソフトバンクの孫正義社長は、買い取り価格の決定が遅く、再生エネの電気を既存の電力網に接続する際のルールも不明確だと指摘。「これでは動きようがない。事業者が意欲を持てる環境整備をしてほしい」と、政府への不満を隠さなかった。