バイバイ原発・京都 のブログ

バイバイ原発・京都 のブログです

【グリーンピース・ジャパンの声明】京都府がSPEEDIデータを活用へ 大きな一歩

記事掲載元サイト:グリーンピース・ジャパン
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/38909/


グリーンピース・ジャパンの声明】京都府SPEEDIデータを活用へ 大きな一歩

 これは実際にデータを入力して計算する(財)原子力安全技術センターがどれくらいの放射能放出量や風向きを想定して入力するかにかかっていますね。過去の京都府の予想図(高浜1号機)を見ると全部風は陸から海に流れています。「このデータは、風向、風速、事故規模、放射性物質の放出量などの条件を県が国等と決めて計算する」(佐藤潤一事務局長)ということだそうで、県と国に対して福島第一原発事故級の最悪のシビアアクシデントを想定したシミュレーションを行わせることが現実的な「防災計画」立案のためにも絶対不可欠です。

(注目記事)
SPEEDIの過小評価と滋賀県の独自シミュレーション (2011年12月9日)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/38315/


出所:美浜の会
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/fig_201111_02_01.jpg


京都府の仮想計算図形(上の福島原発事故を重ね合わせた図と下の文部科学省のシミュレーション図を比較して見て下さい。同じ大飯原発の事故でもまったく別物です)
http://www.bousai.ne.jp/vis/speedi_z/kyouto/index.html


グリーンピース・ジャパンの声明
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/38909/


京都府SPEEDIデータを活用へ 大きな一歩
投稿日 - 2012-02-03 11:27
SPEEDI検証シリーズ(4)

脱原発への働きかけは、将棋の対局に似ている。

冷静に次の手を考え、先回りして徐々に「脱原発」に追い詰めていく布陣を構えていくことが必要だ。

グリーンピースは、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)が脱原発将棋の大きな一手だと考え、昨年から働きかけを強めている。


京都府が国にデータ入手を要請へ

SPEEDIと言うと、福島原発事故直後に放射能の拡散予測を発表できなかったこと、さらにはその予測を先に米国に伝えていたことで非難が殺到しているシステムとして有名だ。
しかし、これまでもブログで述べてきたが、SPEEDIは事故が起きた時にだけ使うものではない。

SPEEDIは、日本にあるすべての原発福島原発事故と同レベルの事故が起きた時どれぐらい放射能が広がるかを予測し、地図上で示すことができるのだ。

このSPEEDI、実は原発立地自治体16以外に利用が許されている自治体が3つある。

それは、原発から10キロに府県の一部が入る京都府長崎県鳥取県の3府県だ。

これらの府県は、立地自治体ではないため原発の恩恵は受けないが、被害は受けるという自治体で被害予測のシミュレーションをしがらみなしに行いやすい。

そこで、グリーンピース京都府の担当者と連絡をとり、福井県原発で事故が起きた時のSPEEDIシミュレーションを活用するように促してきた。

すると、京都府は1月31日、SPEEDIデータをを文部科学省に近く要請することを明らかにした。

しかも、年度内にデータの提供を受け、各市町が改定・策定を進めている地域防災の避難計画に反映させるという。

地味なニュースに見えるかもしれないが、大きな一歩だ

SPEEDI:府がデータを入手へ 地域防災避難計画に反映 /京都 (2月1日 毎日新聞
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20120201ddlk26040680000c.html


玄海原発SPEEDIシュミレーション)


SPEEDIデータに基づいて避難計画を作成すると「脱原発」への理解が深まる
自治体にとって、地域防災の避難計画を作成するのは義務だ。

その避難計画を国がもっているSPEEDIシミュレーションに基づいて作成することで、シビアアクシデントが起きた時の被害が具体的にわかる。

再稼働に前向きな自治体の首長も、SPEEDIに基づいて避難計画を策定すれば、その被害の可能性に驚愕するだろう。

もちろん、その計画は広く住民に公開しなければならず、住民の原発への意識も高まる。
これが重要だ。

来年度からはSPEEDI利用自治体が広がる

実は来年度(4月)からはSPEEDIを利用できる自治体が広がる。

それは、政府が原発から30キロを緊急防護措置区域とし、30キロ圏内の自治体すべてがSPEEDIを利用できるからだ。

今回の京都府のシミレーションが、福島原発事故と同レベルで計算され、さらにそのシミュレーションが公開されれば他の自治体へのよい例を示すことにつながる。

原発立地自治体、さらには周辺自治体がSPEEDIを利用し、被害予測をはじめれば、それぞれの原発で事故が起きた時のリスクがどれだけなのかが住民にわかる。

これが始まれば、実質的に再稼働を住民合意のもとで行うのは難しくなるだろう。

原発再稼働のメリットとリスクを天秤に

現在、日本の原発は3基のみが稼働している状態だ。

電力が足りないというプロパガンダもそれが虚偽であることが判明してきている。それでは、原発を再稼働するメリットは何か?

それはお金だ。原発を再稼働しないと電力会社に経費がかかる。それだけの話だ。

では再稼働のリスクは何か? それがSPEEDIで明らかになるのだ。

原発再稼働の議論には、そのメリットとデメリットを天秤にかけて判断できるようにしなければフェアではない。グリーンピースSPEEDIにこだわり続けているのはこの点だ。

SPEEDIが徐々に公開されていけば、建設的な「脱原発」への判断を促していくだろう。

脱原発将棋の大きな一手であることには間違いない。


グリーンピースは昨日、SPEEDIの公開を求めて緊急オンライン署名をはじめた。

ぜひ参加して、広めてほしい。

「大事故が起きたらどれくらい放射能が飛んでくるのか、予測するシステムがあるのを知っていますか?」

緊急オンライン署名 「原発事故のとき、私のまちはどうなるの?」
http://www.greenpeace.org/japan/ja/Action/speedi/


参考: グリーンピースSPEEDI検証シリーズ 、ぜひご覧ください。

(0)グリーンピースの要請受けて、全原発SPEEDIデータ 文科省がウェブに公開 (2011年11月25日)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/38015/

(1)「SPEEDI」をリスクコミュニケーションに使う (2011年11月30日)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/38101/

(2)SPEEDIの過小評価と滋賀県の独自シミュレーション (2011年12月9日)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/38315/

(3)初公開! 玄海原発事故SPEEDI、1時間で有明海佐賀市・福岡市汚染の可能性 (2011年12月22日)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi1/blog/38508/

(4)京都府SPEEDIデータを活用へ 大きな一歩 (2012年2月3日)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/speedi/blog/38909/


このブログは、事務局長の佐藤潤一が書いています。