「ぼくは満員電車で原爆を浴びた・・11歳の少年が生きぬいたヒロシマ」(語り・米澤鐡志 文・由井りょう子 小学館2013年刊)をおすすめします。
「ぼくは満員電車で原爆を浴びた・・11歳の少年が生きぬいたヒロシマ」(語り・米澤鐡志 文・由井りょう子 小学館2013年刊)をおすすめします。
米澤鐡志君同じ年。米澤鐡志さんを知って60年を超えます。話すようになったのは京都のキンカン仲間になってからです。
同じ戦争体験者であることもあって、彼の被爆体験を伺いたかったのですが、やっとこの本によって念願がかないました。
○読書時間が取れない今ですが、一気にこの本は読めました。というより、語りに惹かれて夢中になったともいえます。
○想像を絶する体験は幼い体に強く刻まれ、記憶され、さらに豊富な資料で裏付けられた事実の重みです。(私の場合、同じ戦争体験であっても記憶喪失と自称していますが、同じ年の出来事がマダラ状にしか思い出せないという始末なのです。)
○彼の感性の豊かさも、背景や心の描写を鮮やかにしています。
○彼のノーモア・ヒロシマ、ナガサキ、戦争は嫌だ、原発即時停止の発言の重みを強く知ることができました。
運命のいたずらか、疎開していた所から広島市内へ帰り、爆心地近くの電車内でのピカ・ドン。なぜ今79歳まで生き残れたのか米澤君の合理的な語りは説得力があります。爆心地近くの市電に乗っていた人は数百人、そのうち85年にはたった8人の生存、しかし今は米澤君1人残っただけ。貴重な存在になった。
思い出ではなく、時間が止まったようだという米澤君。苦しい記憶だとも。語り部として語り、本として残していくという。
私は、この本を読み広め、この体験を追体験しなければならないと思う。
この米澤君の語りに糧を得て、戦争はイヤ、核も絶対イヤ、そして原発をすぐやめての声を上げ続けよう。