関西電力、値上げをするな!原発動かすな!−市民の共同アピール
私たちは、関西電力の電気料金値上げと原発再稼働に反対の意志を表明します。すでに始まっている中小企業向けと6月1日から実施される家庭用の電気料金値上げは、私たちの暮らしや経営に大打撃を与えるものです。家庭用電気料金は、10月以降は平均8.36%の値上げとなり、標準家庭で1ヶ月当り約8,500円となります。これは北海道電力に次ぐもので、福島第一原発事故を引き起こした東京電力と並ぶ高料金です。
原発依存率が高いほど、値上げがひどい
関西電力の原発依存率は全国第1位(51%)です。第2位(44%)の北海道電力も大赤字で、これらの電力会社は電気料金の値上げを重ねています。一方、原発依存の低い電力会社はすでに黒字化しています。貴社は、原発依存の経営方針を改めることなく、そのつけを私たち市民や中小企業に押し付けています。
私たちは、貴社が抱える膨大な「原発維持費」を、現在、原発が全く電気を作っていないのに、電気料金という形で払わされているのを知っています。原発をゼロにすれば、電気料金は現状からその分下がります。「原発維持費」がなくなるからです。関西電力は今、「原発維持費」を私たちに押し付けながら、一方で「原発が稼働しないため、火力発電用の燃料代がかかる」といって、燃料代の負担を二重に押し付けています。これが高い電気料金の要因となっています。
高くて、危ない「原発の電気」
以前は、「原発でつくる電気は安い」「水力11.9円、石油10.7円、原子力5.3円」などと宣伝されましたが、今、原発で作る電気が高くて危ないことは明白になりました。原発事故対策費は少なくても11兆円以上。新しく作られた法律によって、これらが電気料金に含まれ私たちに押し付けられています。税金も投入されています。これらによって原発でつくる電気は、少なくても1キロW時で11.4円となります。原発から出る核のゴミの保管や管理など全くメドが立っていませんし、そのためにどれだけのお金がかかるかもわかりません。福島事故の対策が今考えられているレベルでとどまる保証もありません。こうした経費が膨らめば、原発で作る電気は、どんどん値上がりします。
今後、原発事故が起こらないという保証は、政府も原子力規制委員会も電力会社も自治体も、誰一人行っていません。原発で作る電気は、高くて危険です。原発をきっぱり諦めることこそ、私たちと貴社のとる道です。
貴社は、福島第一原発で起こったレベルの事故を想定し、“事故対応”を進めるとしています。しかし、貴社には福井で起こる大事故に対して「責任」をとる力はありません。責任をとれない原発はやめるべきです。たとえ「再稼働」しても、原発は繰り返し事故や故障を起こします。そのたびに石油や石炭を燃やせば、二重の経費が膨らみます。原発依存と電気料金値上げの悪循環を繰り返すだけです。電力利用者の関電離れに拍車がかかっています。
私たち市民に高い電気料金を押し付けないで下さい。貴社の経営陣は、2年前の値上げの際には政府専門委員会の指摘にも関わらず、貪欲に自らの役員報酬を維持し続けました。今回は1800万円のそれを当面200万円減額するそうですが、あなたたちの失敗を市民や労働者に押し付けながら、1600万円は高すぎる、とは思いませんか!
あなたたちがなすべきことは、値上げの押し付けではなく、ただちに「原発依存」の経営方針を改めること、原発を諦め、もちろん再稼働は断念し、再生可能エネルギーの大規模な普及に舵をきることです。自社の努力を徹底して行い、値上げを中止することです。私たちは、二度と大事故を起こさないよう、原発依存と電気料金値上げの悪循環を断つよう、貴社の経営方針の大転換を心から求めます。