伊方原発3号機が再稼働 新基準で3か所目
NHK 2016年8月12日(金) 9時02分 (動画)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160812/k10010632451000.html
愛媛県にある四国電力伊方原子力発電所3号機は、12日午前9時、原子炉を起動する操作が行われ、再稼働しました。新しい規制基準の下での再稼働は鹿児島県にある川内原発と福井県にある高浜原発に次いで、3か所目です。
伊方原発3号機は、原発事故を受けて作られた新しい規制基準の審査に去年合格し、再稼働の前に必要な検査が行われてきました。そして、12日午前9時、中央制御室で、運転員が核燃料の間に入れられている核分裂反応を抑える「制御棒」を引き抜くレバーを動かして原子炉を起動し、3号機は再稼働しました。
作業が順調に進めば、13日の朝までに原子炉の中で核分裂反応が連続する「臨界」の状態になる見通しで、3日後の15日には発電と送電を始めて、来月上旬には営業運転に入る計画です。
伊方原発3号機が稼働するのは福島第一原発の事故の1か月後に定期検査に入って以来、5年4か月ぶりで、起動の操作も平成22年3月以来、6年5か月ぶりに行われます。四国電力はこの間、経験のない運転員が加わり、ベテランも実際の起動操作は久しぶりのため、設備の状況などを慎重に確認しながら今後の操作を行うとしています。
新しい規制基準の下で再稼働したのは、川内原発と高浜原発に次いで3か所目で、このうち高浜原発は裁判所の運転停止を命じる仮処分の決定を受けて停止しています。
原子力規制庁「厳格に検査進める」
愛媛県にある伊方原発3号機が12日、再稼働したことについて、原子力規制庁の担当者は「再稼働の前に設備の機能を確認する使用前検査はおおむねスケジュールどおり進んでいて、特に大きな問題は出ていない。きょう、原子炉が起動したが今後は総合的に施設全体の運転状態を確認する検査を引き続き厳格に進める」と話しています。
四国電力社長「安全確保最優先にステップ進める」
四国電力の佐伯勇人社長は「引き続き国の検査に真摯(しんし)に対応するとともに、これまで以上に緊張感をもって、安全確保を最優先に、臨界、発電再開へとステップを進めてまいります」とコメントしています。