【読売新聞】「仏教者としてざんげしたい」永平寺が原発シンポ+【毎日新聞】シンポジウム:原発神話考える 福島の酪農家ら講演−−永平寺 /福井
「仏教者としてざんげしたい」永平寺が原発シンポ
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/surprise/20111026-OYT8T00295.htm?from=os2
曹洞宗大本山永平寺(福井県永平寺町志比)が11月2日、福島第一原発事故を機に生活を見つめ直そうと、シンポジウム「いのちを慈しむ〜原発を選ばないという生き方〜」を開く。
シンポでは、「原子力発電に反対する県民会議」代表委員で小浜市の中島哲演・明通寺住職が講演、福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんが福島の現状を報告する。その後、人権などをテーマに講演活動している在日韓国人の作家朴慶南さんを交えて討論を行う。
敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」と新型転換炉「ふげん」(廃炉作業中)は、釈迦如来の両脇にいる「文殊菩薩(ぼさつ)」と「普賢菩薩」が名前の由来。講演を企画する「永平寺禅を学ぶ会」によると、永平寺が命名に関わった説もあり、西田正法事務局長(56)は「菩薩の知恵を借りて無事故を願ったのなら浅はかな考えだった。仏教者として世間にざんげすることから始めたい。シンポが負の遺産を子孫に残さない生き方を考えるきっかけになれば」としている。
会場は永平寺町山の「町緑の村四季の森文化館」で入場500円。午後1時開演。申し込みは、禅を学ぶ会事務局(0776・63・3456)。
(2011年10月26日 読売新聞)
シンポジウム:原発神話考える 福島の酪農家ら講演−−永平寺 /福井
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20111103ddlk18040669000c.html
曹洞宗大本山永平寺は2日、原発の是非を考えるシンポジウム「いのちを慈しむ〜原発を選ばないという生き方」を永平寺町の「四季の森文化館」で開いた。同寺は敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」などの命名に関ったとされ、「仏教者が命名に関わったことを懺悔しなければならない」との思いも込めて企画。約450人が集まり、熱心に耳を傾けた。
冒頭で、実行委員長を務めた同寺の松原徹心副監院があいさつし、「もんじゅ」と同市の新型転換炉「ふげん」の命名の経緯に言及した。
命名当時の動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)の清成迪氏が「文殊菩薩の知恵と普賢菩薩の慈悲を授かろう」と発案。当時の同寺の貫首が「いかがでしょうか」と尋ねられ、「それはいいことだ」と答えたという。
シンポジウムでは、各地で震災体験を語り続けている福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さん(58)と、反原発運動に携わる小浜市の明通寺住職、中島哲演住職(69)が講演した。
長谷川さんは、福島第1原発事故直後を振り返り、「行政や偉い先生から『何の心配もありません』と言われ続けてきたが、4月11日に突然、(計画的避難区域に指定したため)避難しろと国から指示が出た。『人を馬鹿にすんな』とみんな怒った」と当時の思いを吐露。さらに、女子高生が「怖くて子どもなんか産めない」などと話す村の状況を紹介し、「これが飯舘の現状なんです」と訴えた。
中島住職は、広島の被爆者との関わりから反原発運動に携わるようになったといい、「一代で終わらない苦しみが被爆者の苦悩。安心、必要と言われてきた原発の神話について考えてみてほしい」と呼び掛けた。
会場を訪れた永平寺町の農業、渡辺敬一さん(61)は「福島の事故は他人事ではなく、原発が自分たちの生活にとってどういう存在かを改めて考えなければならないと感じた」と話した。【山衛守剛】
毎日新聞 2011年11月3日 地方版