【政策提言型仕分け】「福井県にある『もんじゅ』の存続の是非を含めて抜本的に見直しを行うべきだ」(提言)、「エネルギー特会、見直しへ=使途拡大や廃止も」(細野環境相)
【FNN】「提言型政策仕分け」 原子力関連予算で「抜本的な見直しに踏み出すべき」との提言
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00211961.html
20日から始まった政府の行政刷新会議の「提言型政策仕分け」で、原子力政策の関係閣僚らが議論を行い、原子力関連予算について、「抜本的な見直しに踏み出すべき」との提言をまとめた。
蓮舫行政刷新担当相は「『もんじゅ』は1兆円かけて、まだ実験段階。信じられないぐらいの国民の税金とか、電気料が使われてきている」と述べた。
枝野経済産業相は「新エネルギー開発と省エネに、今まで原子力に使ってきたような投資をすれば、十分に日本のエネルギーは成り立っていける」と述べた。
20日の議論では、高速増殖炉「もんじゅ」の費用対効果に批判が集まり、「もんじゅの存続の是非を含め、従来の計画を抜本的に見直し再検証を行うべき」との方向性が出された。
これを受け、関係閣僚が「もんじゅ」の在り方や、原発立地自治体への交付金などに使われるエネルギー特別会計について議論し、「エネルギー特会の存廃も含め、原子力関係予算全体について、国民的見地で抜本的な見直しに踏み出すべき」との提言をまとめた。
【毎日新聞】提言型政策仕分け:スタート もんじゅ「抜本見直し」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111121k0000m010096000c.html
政府の行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)は20日、重要政策を検証して見直しの方向性を示す「提言型政策仕分け」を4日間の日程でスタートした。初日の原子力・エネルギー分野では、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について「存続の是非を含め、従来計画を抜本的に見直すべきだ」と提言。原発周辺の自治体に国が配分している「電源立地地域対策交付金」も、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、安全対策により振り向けやすくする仕組み作りを求めた。
もんじゅについては、原子力分野を担当した仕分け人7人全員が、抜本的な見直しが必要だと判定。12年度予算の概算要求に文部科学省が盛り込んだ試験費用22億円に対し、「計画そのものを見直すべきだ」として見送るよう提言した。
発電所立地対策などのための「エネルギー対策特別会計」をめぐっては、再生可能エネルギー普及や安全対策にかかわる予算運営が、各府省間で重複、非効率がみられるなどとする縦割り批判が相次ぎ、細野豪志環境相は「(特会から)卒業した方がいい」と主張した。枝野幸男経済産業相も「従来の予算配分をゼロベースで見直すべきだ」と要求。提言では、存廃を含め、関連予算の抜本的な見直しに踏み出すよう求めた。
行政刷新会議は提言結果が予算や政策へ反映されることを目指す。ただ、提言に法的拘束力がないため、各閣僚や与党がどこまで提言を重視するかが課題となる。蓮舫行政刷新担当相は同日の仕分けで、枝野、細野両氏と中川正春文科相ら原子力の関係閣僚による継続的な協議の場を設置し、提言実現の担保にすべきだとの考えを示した。【光田宗義、中島和哉】
【NHK】仕分け 高速増殖炉抜本見直しを
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111120/t10014086261000.html
11月20日 18時46分
政府の行政刷新会議が国の政策や制度の問題点を検証し、改革案を提言する「政策仕分け」が始まりました。初日の20日は、原子力の研究開発のあり方が議論され、高速増殖炉の開発について、「福井県にある『もんじゅ』の存続の是非を含めて抜本的に見直しを行うべきだ」とする提言をまとめました。
「政策仕分け」は、これまで「事業仕分け」で行ったむだの洗い出しに加え、政策や制度そのものの問題点を検証して改革案を提言するもので、「仕分け」としては野田政権で初めての取り組みです。初日の20日は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原子力政策が取り上げられ、国会議員と民間の有識者の「仕分け人」が作業にあたりました。
このうち、原子力の研究開発の見直しを巡っては、40年以上、1兆8000億円を超える予算をかけても実用化のめどが立たない高速増殖炉の開発が取り上げられました。これについて、仕分け人から、「福井県にある『もんじゅ』の本格的な運転が実現しない上、2050年までに商業化を目指すという不透明な計画では、もはや国民の理解を得られない」といった意見が出されました。
これに対して、文部科学省側は「高速増殖炉開発を含め、原子力政策については、政府のエネルギー・環境会議で議論が行われていて、その議論を踏まえて対応したい」と述べました。
その結果、高速増殖炉開発については、「『もんじゅ』の存続の是非を含め、抜本的に見直しを行って再検証し、国民に説明すべきだ」という提言をまとめました。そして、来年度の概算要求で求めている「もんじゅ」の予算については、来年夏以降の運転再開後に行う試験費用の22億円の計上を見送り、維持管理の経費についても確実に必要なものにとどめ、削減すべきだと結論づけました。
また、原子力発電所を受け入れた自治体に、毎年合計1000億円以上、国が支出している交付金についても議論が行われました。仕分け人からは「原発事故に備え、より多くの交付金を安全対策に使うよう、使いみちを制限すべきではないか」という意見が出た一方、「交付金の使いみちを国が議論すべきではなく、安全対策は国が責任を持ってやるべきだ」という意見も出されました。この結果、提言では、「原発事故に対する安全対策を拡充する仕組みを検討すべきだ」としましたが、「自治体の使い勝手のよさにも配慮すべきだ」として、具体的な交付金のあり方については結論は出ませんでした。そして最後に、蓮舫行政刷新担当大臣と、原子力政策の関係閣僚が取りまとめの議論を行っています。
この中で、枝野経済産業大臣は「『これまで高速増殖炉の関連で使ってきた2兆円を、すべて再生可能エネルギーや省エネルギーの開発に使っていたらどうなっていたか』という視点が必要だ。原子力がなくても、やっていける社会を作っていくにはどうすればいいのか検討するのが、今、政治がやならければならない仕事だ」と述べました。
また、細野原発事故担当大臣は「これまでの原子力関連の予算の使いみちを大きく変え、除染や廃炉、福島の皆さんの健康被害対策などに予算を確保できるようにシフトすべきだ。エネルギー対策特別会計という枠組みが必要かどうかということも、考えてもいいのではないか」と述べました。
「政策仕分け」は、今月23日まで、社会保障制度や公共事業のあり方などを対象に、東京都内の会場で一般に公開して行われることになっています。
【朝日新聞】エネルギー特会、見直しへ=使途拡大や廃止も―細野環境相
http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201111200070.html
2011年11月20日22時6分
細野豪志環境相は20日の政策仕分けで、原発の立地対策や石油資源開発に使われている「エネルギー対策特別会計」について、「使い勝手は大変悪い。一般会計の方がやりやすい」と述べた。2011年度当初予算での歳出総額が9888億円(重複分を除く)の巨額に上る同特会の廃止も含め、見直しを進めるべきだとの考えを強調した。
エネルギー特会は環境省のほか経済産業、文部科学両省が共同で所管。枝野幸男経産相は見直しの必要性を認めた上で「問題は納税根拠」と指摘。石油備蓄や省エネルギーのため徴収する石油石炭税と、原子力開発などを目的とする電源開発促進税が財源であるため、使途の拡大には議論が不可欠とした上で、可能な部分から実行する姿勢を示した。
[時事通信社]