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【東京新聞】国のメンツ 浪費17年 仕分け「もんじゅ」存廃議論へ+【時事通信】もんじゅ費用、1兆810億円=830億円の試験棟未利用−適切な公表必要・検査院

〔関連記事〕
琉球新報 社説】「もんじゅ 無用の長物、廃炉を望む」
http://d.hatena.ne.jp/byebyegenpatsukyoto/20111105/1320482442
京都新聞 社説】「もんじゅ  きっぱり廃止の宣告を」
http://d.hatena.ne.jp/byebyegenpatsukyoto/20111105/1320482641


東京新聞】国のメンツ 浪費17年 仕分け「もんじゅ」存廃議論へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011111902000022.html

2011年11月19日 朝刊

 「夢の原子炉」と呼ばれながら、トラブル続きでほとんど稼働していない高速増殖原型炉もんじゅ福井県敦賀市)の存廃が、二十日の政府政策仕分けで議論される。その歩みを振り返ると、この先も膨大な国費を浪費し続けるのかと、率直な疑問が浮かんでくる。 (谷悠己、福田真悟)

 ◇事故

 総事業費に約一兆円もかけながら、稼働してから十七年間で、動いたのはたった二百数十日間。「発電しながら燃料を生む未来の原発を開発する」とのふれこみだったが、実績からすると、もんじゅは壮大な無駄遣いだったといえる。

 文殊菩薩(ぼさつ)に由来するその名を広めたのは、試運転後すぐの一九九五年に起きた事故だ。核燃料を増殖させるため、冷却材に使う液体ナトリウムが配管から漏れ、空気に触れて火災を起こした。事故映像を隠していたことも発覚した。

 昨年、十四年ぶりに運転再開にこぎ着けたのもつかの間、燃料交換用の機器が原子炉容器に落下し、あえなく再停止に追い込まれた。停止中でも、液体ナトリウムを循環し続けるなどの維持費が年間二百数十億円かかる。機器落下による炉内の損傷状況を調べようとすると、百七十億円もかかることが判明している。

 動いていても止まっていても、途方もない金食い虫だ。

 ◇背景

 扱いの難しいもんじゅだが、核燃料と液体ナトリウムさえ抜けば停止できる。

 それでも国がこだわってきた背景には、原発が抱える最大の課題である使用済み核燃料の存在がある。

 全国の原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、高速増殖炉の燃料として再利用できれば、燃料は節約、核廃棄物の処分量も減る−。こう強調され、半世紀前から国の原子力政策の要に据えられてきた。

 もんじゅのパートナー役が再処理工場(青森県六ケ所村)。電力各社の資金で九三年に着工したものの、トラブル続きで竣工(しゅんこう)予定は十八回も延期を繰り返してきた。総額二兆円を投じながら稼働のめどが立たない点は、もんじゅそっくりだ。

 もんじゅをあきらめれば、ここに燃料を供給するための再処理工場も不要になる。日本が保有するプルトニウム核兵器ではなく発電のため、との主張の根拠がなくなる。

 巨額の資金をかけ、国の重要施策として進めてきただけに、やめるにやめられないのが実情だ。

 ◇地元

 立地対策として交付金だけで百三億円を受けてきた地元・敦賀市の受け止め方は複雑だ。事故の不安もつきまとうが、もんじゅがあり続ければ一定の雇用効果が期待でき、国内外の研究者の往来も見込める。河瀬一治市長は「いまさら廃止は考えられない」と話す。

 福井県にとっては、もんじゅを受け入れるかわりに北陸新幹線を延伸させる取引材料として政治利用を模索してきた経過もある。

 もんじゅの廃止論は九五年の事故後にも浮上したものの、いつの間にか必要論にすり替わった。仕分けのメスはどこまで入るのか。二十日の議論に注目が集まる。


時事通信もんじゅ費用、1兆810億円=830億円の試験棟未利用−適切な公表必要・検査院
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201111%2F2011111400615

 運転停止中の高速増殖炉もんじゅ」(福井県敦賀市)と関連施設の研究開発に総額約1兆810億9500万円が支出されていたことが14日、会計検査院の調査で分かった。このうち約830億8500万円を掛けて建設・維持されている関連施設は全く利用されていなかった。

 東京電力福島第1原発事故を踏まえ、政府は来年夏をめどに新しいエネルギー基本計画を策定する方針で、検査院は「計画見直し議論のためにも、もんじゅの経費は全体が把握できるように公表されるべきだ」として、日本原子力研究開発機構に対し、経費情報の適切な公表と施設の有効活用を求めた。

 検査院によると、原子力機構は2010年度までに要した研究開発費を約9265億円と公表しているが、これには人件費、施設の固定資産税、1979年度以前のもんじゅ建設準備段階の経費などが含まれていなかったという。(2011/11/14-18:27)


【読売新聞】「もんじゅ」関連施設、11年放置…830億円
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111115-OYT1T00012.htm

 高速増殖原型炉「もんじゅ」の使用済み核燃料の再処理研究施設として日本原子力研究開発機構が建設中のリサイクル機器試験施設(RETF茨城県東海村)が、建設中断されたまま、830億円超に上る費用も公表されていないことがわかった。

 会計検査院は14日、機構に対し施設の活用の検討や、費用公表などをするよう意見を示した。

 RETFは1995年7月から建設を開始。同年12月にもんじゅのナトリウム漏れ事故が発生するなどしたため、建物や一部の内装の完成後の2000年7月以降、建設が中断。10年度末までに建設費や維持管理費、固定資産税など計830億8525万円がかかっているが、施設は使用されていない。機構はこれらの費用をホームページなどで公表していないという。

(2011年11月15日14時54分 読売新聞)