バイバイ原発・京都 のブログ

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脱原発弁護団全国連絡会の声明

全国の脱原発訴訟を闘っている弁護団の連絡組織である脱原発弁護団全国連絡会
では、以下の抗議の声明を発しましたので、お知らせします。(転送歓迎)

声明
福島事故から何も学ばなかった大阪地裁裁判官に強く抗議する

1 大飯原発の再稼働を合法化できる法的枠組みは存在していなかった
 全国の原発原子力規制委員会の新たな安全基準に合格するまで、運転の再開
が認められていない中で、政治的な判断の下で大飯原発3,4号機だけが再稼働
を認められてきた。
大飯原発3,4号機について、規制委員会の判断はなされていない。同原発の運
転を是認できる法的な根拠はないと言って良い。今回の司法判断は、他の原発
は適用を放棄されているストレステスト基準について安全性に関する基準として
合理性があるとしたが根本的な疑問がある。依拠できる国の専門機関による判断
がないままで、事業者の主張に基づいて安全判断がなされたことに重大な疑問を
提起せざるを得ない。

2 安全性の立証責任は被告電力会社にあった
 決定は、「F-6破砕帯が活断層であることを認めるに足りる事情は見当たらな
い。」「クリフエッジ(安全限界)である11.4メートルを超える大津波が襲来する
可能性を認めるには足りない。」とする。しかし、破砕帯に関しては規制委員会
は今も結論を留保して調査を継続中である。司法機関としては、専門家の間で意
見が分かれているような事項については、より安全サイドに立って疑問が払拭さ
れていない以上危険性があるという判断を示すべきであった。このような姿勢の
欠如こそが多くの原発裁判が提起されながら、司法が福島原発事故を防ぐことが
できなかった最大の問題点である。またしても、司法は次なる重大事故につなが
りかねない重大な誤りを犯したといわざるを得ない。

3 制御棒挿入時間について
 決定は「本件発電所において制御棒挿入時間につき許容値を2. 2秒とする定め
はなく,2. 2秒は,安全解析評価上の観点から設定された時間であり,安全性に
対しては一応の評価の目安となる時間にすぎず,これを超えたとしても直ちに具
体的危険性が肯定されるものではない。また,3連動の地震が生じたとしても,
制御棒挿入時間が2.2秒を超えると認めるには足りない。仮に制御棒挿入時聞が
2.39秒であるとしても,具体的危険性があると認めるには足りない。」とする。
 しかし、許容値を超えれば、安全性を維持することができることは困難となる
。これを超えても危険性が肯定されないという判示は、許容値のもつ重要な安全
上の意義を無視した危険な考え方である。このような判断を行っていたのでは、
次の重大事故を防ぐことはできない

4 私たちは全国の法廷で市民の生命と安全を守るために闘い続ける
今回の決定は3.11後の原発の安全性の実体をめぐる最初の司法判断であっ
た。ここで、正しい判断が示されなかったことは残念であるが、脱原発弁護団
国連絡会は、このような不当な判断に怯むことなく、司法による原発運転停止の
判断を勝ち取り、全国の法廷で市民の生命と安全を守るために闘い続けていくこ
とを宣言する。

2013年4月16日
               脱原発弁護団全国連絡会
                    共同代表 河合 弘之
                     同   海渡 雄一