抗議声明
高浜原発4号機の原子炉起動に断固抗議する
蒸気発生器細管の減肉原因である「異物」を特定せず、原因究明を放棄
http://greenaction-japan.org/jp/2020/01/2688
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本日(1月30日)、関西電力は高浜原発4号機の原子炉起動を強行した。蒸気発生器
細管の減肉原因は、「異物混入による」としながら、「異物」を見つけることもな
く、徹底した調査を放棄して、運転再開を最優先した。住民の安全をないがしろにす
る原子炉起動に、断固抗議する。
高浜4号では、昨年9月18日からの定期検査で、3台ある蒸気発生器全てから、計5
本の細管に減肉が見つかった。減肉は最大で、細管の肉厚約1.3mmの60%にも達し、
細管はわずか0.5mmにまで薄くなり、その中を、高温高圧(約320℃、約150気圧)の
冷却水が流れていた。細管が破断すれば、1991年の美浜2号機事故のように、冷却材
喪失という深刻な事故に至る。今回の減肉は、このような事故につながる危険性が
あった。
一昨年には、高浜3号でも同様の細管減肉が起きていたが、関電は「異物は発見でき
なかった」として運転を強行した。高浜3号、4号と続いた細管減肉だが、今回も
「異物」を見つけることなく原子炉を起動した。今年1月から定期検査に入っている
高浜3号の細管検査結果は、2月15日頃には明らかになるが、それを待つことさえし
なかった。
原子力規制委・規制庁は、昨年12月6日の第1回公開会合では、「第3管支持板より
上を調査しないのはなぜか。3号・4号と続いて起こっている背景を考えたか。3号
の1月からの定検結果次第かも」と厳しく発言し、関電の推定原因を認めなかった。
ところが、12月19日の第2回公開会合では、手のひらを返したように、上部の検査も
しなかった関電の推定原因を了承する「評価書」をまとめ、運転最優先を認めてし
まった。規制委・規制庁の責任も重大だ。
私たちは福井の運動と協力して、昨年秋以降、関電の原発マネー還流事件の徹底究明
と、高浜4号の運転再開に反対して自治体に要請活動を行ってきた(11/6滋賀県、
12/10京都府、12/19福井県、1/16大阪市、1/22滋賀県)。琵琶湖を守る滋賀県は「異
物は全て回収し、原因を解明すること」等を関電に強く求めた。しかし関電は、30km
圏内自治体の強い要請をも踏みにじった。
高浜原発は特重施設(テロ対策等対処施設)の工事が遅れ、3号は8月上旬、4号は
10月上旬から運転を停止する。関電はそれまでの間、少しでも運転期間を稼ぐため、
運転再開を急いでいる。金品受領問題の「第三者委員会」報告も出ない内から、原発
の運転再開に血道をあげている。住民の安全を無視し、腐敗した体質への社会的批判
をも軽視した、関電の姿勢に強く抗議する。
関電は、即刻に高浜4号の原子炉起動を中止すべきだ。
40年超えの老朽原発等の再稼働を止めるため、福井と全国の運動と連携し、運動を一
層強めていく決意である。
2020年1月30日
避難計画を案ずる関西連絡会/ 原発なしで暮らしたい宮津の会
(避難関西の連絡先団体:グリーン・アクション/原発なしで暮らしたい丹波の会/
脱原発はりまアクション/原発防災を考える兵庫の会/美浜の会)
この件の連絡先:
グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL:075-701-7223
美浜の会 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル3階 TEL:06-6367-6580