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【訂正:滋賀県が原発事故放射能汚染をシミュレーション】美浜原発で事故あったら…滋賀県面積56%「50ミリ超」予測、琵琶湖など汚染の恐れ 滋賀県が予測公表

滋賀県美浜原発で事故が起こった際の放射性物質拡散予測を公表しました。

 この発表によれば、美浜原発で事故が起こった場合、関西の「水がめ」である琵琶湖が放射能汚染することがはっきりした訳です。こうした事実をどんどん広めていきましょう。福島から遠く離れた東京都でさえ水道水で大騒動になったのですから関西はそれどころではないはずです。

 しかし、「美浜原発から放射性ヨウ素の放出が6時間続いたという想定で昨年1年の気象データから60日を選び試算した」とのことですが、事故発生時に雨が降った場合など、風向きや降雨条件などについて最悪の条件を想定した計算も必要ではないでしょうか?福島でも原発爆発時の風向きで長い楕円状に高濃度汚染地域が広がっています。この図は距離から平均して汚染していますが、さまざまな風向きでの最悪の汚染結果も示してほしいものです。

 また、下記の原子力安全委員会の「屋内退避及び避難等に関する指針」によれば避難すべきは外部被曝による実効線量が50ミリシーベルト内部被曝による等価線量(放射線の種類による相違を換算した量)は500ミリシーベルトで24時間の積算線量であるようですが、避難の基準は内部被曝外部被曝の10倍なのですね。このあたり詳しい方おられましたら解説希望ですので、ぜひ、コメントしたいただければと思います。

原子力安全委員会「屋内退避及び避難等に関する指針」
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/bousin/bousin003/siryo6.pdf

 管理人


(上記コメントに関する訂正とお詫び)

 以下の内容に関して、京都精華大学の細川弘明先生より以下の指摘がML上でありましたので訂正いたします。それにしても、最初の報道では汚染値がいかなる期間の累積値なのかも示されておらず(そもそも累積値かどうかも言及が無く)、こうした報道が一般人にはきわめてわかりづらい(記者自身が本当に内容を理解できているのかも疑問)ものであると感じました。


〔以下、細川先生からのご指摘〕

内富さん、拝復、細川です。

わかる範囲でお答えします。
より詳しいことはシミュレーション・プログラムを開発・運用している琵琶湖環境科学研究センターの山中さんにお尋ねください。

On 2011/11/26, at 1:11, uchitomi makoto wrote:
滋賀県美浜原発で事故が起こった際の放射性物質拡散予測を公表しました。

●今回は美浜原発ソースと大飯原発ソースの両方のシミュレーションを走らせています。
事故シナリオや号機は特定せず、福島第1原発事故の今回のヨウ素希ガス放出量と同じ量が出たとの想定で計算しています。プルーム(放射能雲)の高度を「第3層」(44m〜73m)と入力していて、これが福島事故の場合よりかなり低めの想定なので、より厳しめの予測と考えてよいかと思います。
このシミュレーション・プログラムは、大気汚染用に開発されたものなので、プルームの挙動の予測としてどこまで適切であるかは議論の余地あります。SPEEDIデータが提供されないなかで、苦肉の策として走らせたものです。

 しかし、「美浜原発から放射性ヨウ素の放出が6時間続いたという想定で昨年1年の気象データから60日を選び試算した」とのことですが、事故発生時に雨が降った場合など、風向きや降雨条件などについて最悪の条件を想定した計算も必要ではないでしょうか?福島でも原発爆発時の風向きで長い楕円状に高濃度汚染地域が広がっています。この図は距離から平均して汚染していますが、さまざまな風向きでの最悪の汚染結果も示してほしいものです。

●2010年のアメダスのデータ(実際の気象データ)のうち、滋賀県にむかって風が吹いていた日(風向でいうとWNWからENEの範囲)かつ風速が穏やかな(=プルームの滞留時間が長い)日を月毎に5日( → 年に60日)選び、それぞれのシミュレーション結果から、区域(メッシュ)ごとに最大の被曝量となったレベルを図示しています(新聞で紹介された図の場合)。距離から平均して汚染しているように見えるのは、60回の結果を合成しているためでしょう。つまり、ある1回の計算結果であのような図になったわけではなく、異なる気象条件による計算を繰り返したなかで最悪の結果を拾って図示したものです。このほか、24時間で甲状腺被曝等価線量が50mSvをこえた回数と、100mSvをこえた回数を、それぞれ色で区分して図示したものが今回報道陣に提供されましたが、報道されていないようです。

(美浜ソースで60回、大飯ソースでは36回の結果を重ねています。大飯ソースでは、60回のうち京都府方向に流れた分を除いて、36回を選んだようです。)

ですので、実際にこの地域での気象データから、滋賀県にとって悪い条件のものを選んでいるので、最悪を推測する試みとして妥当と思われます。


 また、下記の原子力安全委員会の「屋内退避及び避難等に関する指針」によれば避難すべきは外部被曝による実効線量が50ミリシーベルト内部被曝による等価線量(放射線の種類による相違を換算した量)は500ミリシーベルトで24時間の積算線量であるようですが、避難の基準は内部被曝外部被曝の10倍なのですね。このあたり詳しい方おられましたら解説希望ですので、ぜひ、コメントしたいただければと思います。

甲状腺被曝等価線量への換算係数に IAEA のものを使用しているので、どうしても過小評価になります。それでも今回のシミュレーションでは、等価線量50mSvの範囲が、原子力安全委員会がPPA(プルーム防護計画地域)の目安とする50kmを大きくこえたことから、県の防災計画の見直し委員会での議論(11/25)では、全県で防護措置(ヨウ素剤の予防服用など)をとるとの考え方にたって防災計画を全面的に書き直す(OIL=運用上介入基準を定める)方向で話が進んでいます。


見直し委員会の第1回と第2回の議事録(概要)は滋賀県庁のウェブサイトで公開されています。
http://210.161.29.113/bousai/gensiryoku/dai1kai_gaiyou.pdf
http://210.161.29.113/bousai/gensiryoku/dai2kaigijigaiyou.pdf
第3回(11/25)の議事録もおそらく年内には公開されると思います。


細川 弘明 拝 <(_ _)>
http://twitter.com/ngalyak
http://twilog.org/ngalyak



産経新聞】【放射能漏れ】美浜原発で事故あったら…琵琶湖など汚染の恐れ 滋賀県が予測公表
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111125/dst11112522260027-n1.htm

2011.11.25 22:24

 滋賀県は25日、関西電力美浜原発福井県美浜町)で福島第1原発事故と同規模の事故を想定した独自の放射性物質拡散予測を公表した。琵琶湖を含む県北部で、内部被曝(ひばく)線量が国の指針で屋内退避措置が必要な100ミリシーベルト以上に達すると試算。近畿の「水がめ」が、放射性物質に汚染される可能性が高いことが判明した。

 公表した予測結果は県内に限っており、琵琶湖を含む滋賀県北部の574平方キロで内部被曝量が100ミリシーベルト以上500ミリシーベルト未満となった。放射性物質甲状腺に蓄積されるのを防ぐ安定ヨウ素剤の配備が必要とされる50ミリシーベルト以上と合わせると、県の面積の半分以上の2237平方キロとなり、琵琶湖の大部分が含まれる。住民避難が必要な500ミリシーベルト以上の地点はなかった。

 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が開発した大気汚染物質の拡散予測システムを応用。美浜原発から放射性ヨウ素の放出が6時間続いたという想定で昨年1年の気象データから60日を選び試算した。

 予測では放射性物質福井県のほか、京都府岐阜県などにも拡散していたが、近隣府県に配慮し滋賀県内のデータのみを公表した。


中日新聞滋賀県面積56%「50ミリ超」予測 美浜原発事故なら
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011112690022039.html

2011年11月26日 02時20分

 滋賀県は25日、隣接する福井県美浜町関西電力美浜原発で福島第1原発事故と同じ規模の事故が起きた場合、屋内退避をはじめヨウ素剤の服用が必要とされる量の放射性ヨウ素が飛散する面積が、県内の56%に及ぶとする予測結果を公表した。

 県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が昨年の気象データを基に、放射性ヨウ素が県内に飛びやすいとされる北風が吹く日をモデルに算出した。

 100ミリシーベルト以上の放射線量を1日に受けるレベルの放射性物質が飛散し、国の防災指針で屋内退避が必要とされる地域は、高島市長浜市の574平方キロで、県全体の14・3%を占めた。

 国際原子力機関IAEA)が、健康被害の予防のためヨウ素剤の服用が必要と定める50ミリシーベルト以上から100ミリシーベルト未満の地域は、甲良町を除く全18市町に及び、原発から89キロ離れた甲賀市にも飛散する予測が出た。面積で1663平方キロで、県全体の41・4%に上った。

 福井県おおい町大飯原発の事故の影響も予測しており、屋内退避地域が高島市だけで、同市と大津市など6市がヨウ素剤の服用が必要になる地域と予測された。

 県は国が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を使った予測を公表しないため、全国で初めて独自で拡散予測をするシステムを構築。結果は今後、住民の避難計画や防災備蓄品の見直しなどに生かす。

中日新聞


京都新聞美浜原発放射能拡散時 高島と長浜「屋内避難」 県予測公表
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20111125000112


美浜原発(右)と大飯原発での事故を想定した甲状腺被ばく等価線量の最高濃度分布図。黄色は屋内退避が必要となる「100〜500ミリシーベルト」、緑は安定ヨウ素剤服用基準の「50〜100ミリシーベルト」を指す。

 滋賀県は25日、福井県にある関西電力の美浜、大飯両原子力発電所での事故を想定した放射性物質の拡散予測を公表した。美浜の場合、屋内退避が必要とされる地域に高島、長浜両市が含まれた。県は「住民が避難すべき地域を高島、長浜両市と協議していきたい」としている。

 予測は県琵琶湖環境科学研究センターの独自システムを活用した。2010年の気象から北よりの風がゆるやかに吹く日を抽出。福島第1原発事故のヨウ素放出量を参考に、24時間分の被ばく線量を積算した。36〜60ケースのシミュレーション結果から、呼吸に伴う甲状腺被ばく等価線量が最高濃度となる区域の分布を示した。

 美浜の場合、県が地域防災計画に新たに設ける基準で屋内退避となる「100〜500ミリシーベルト」が予測されるのは、高島、長浜両市の574平方キロメートル。琵琶湖も一部が含まれた。国が防災対策を重点的に実施する地域として方針を示した原発から半径約30キロの圏外にも及んだ。安定ヨウ素剤の服用基準となる「50〜100ミリシーベルト」は、甲良町をのぞく18市町1663平方キロメートルに及んだ。

 大飯の場合、屋内退避エリアは高島市のみの78平方キロメートル。安定ヨウ素剤服用の可能性がある地域は高島、大津、守山、野洲近江八幡市の489平方キロメートルとなった。

 県はシミュレーション結果を避難計画に反映させ、安定ヨウ素剤の備蓄などにも生かしていく。

【 2011年11月25日 22時18分 】