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【毎日新聞/立地自治体並みに】 米子市議会7割が反対 島根原発安全協定の早期締結+【読売新聞】 島根原発の安全協定 締結巡り揺れる議会

毎日新聞米子市議会7割が反対 島根原発安全協定の早期締結
http://www.nnn.co.jp/news/111202/20111202011.html

2011年12月02日

 中国電力島根原発島根県松江市鹿島町)の防災対策で、鳥取県と米子、境港両市が中電との締結を目指す安全協定。米子市議会の全議員29人に聞いたところ、中電が示した協定内容に関する回答に「同意できない」が過半数を占めた。野坂康夫市長は1日、中電の回答を受け入れた上での「早期締結」に理解を求めたが、7割近い議員が反対しており、年内締結は困難との見方が強まっている。

 「中電と交渉してきたが、これ以上譲歩を求めるのは難しい」。野坂市長は同日の市議会全員協議会で、松江市が中電と結んでいる協定内容に近づいた点を強調し「何もない状況よりはいい」と呼び掛けた。

■立地自治体並みに

 協定をめぐっては、鳥取県側が提案した19項目について、中電の回答で合意を得たのは15項目。トラブル発生時の「立ち入り調査」は「現地確認」に、原発増設計画の「事前了解」は「事前報告」にとどまった。全協では、島根県松江市と比べて格下げの内容に「骨抜き」「松江市並みが大原則」などと批判が相次いだ。

 「風向きによっては松江市より被害を受ける。住民感情を逆なでする中身だ」。竹内英二議員が嘆くと、小林重喜議員は「行政区域で差が出ることではないし、それを市長が容認するのは問題だ」と反発。中川健作議員は「立地自治体並みの協定を目指している京都や滋賀の足を引っ張る」と指摘した。

 これに対し、矢倉強議員は全国に先駆けて協定締結の目前までこぎ着けたことを評価。「一歩でも前進して住民の安心安全を早く得るべきだ」と訴えた。

■歩調合わせて

 本紙の調査では、中電の回答を受け入れて協定を結ぶことに賛成する米子市議は6人にとどまり、現時点での締結に20人が反対。3人が明言を避けた。

 ただ、議会が各会派で意見調整するのはこれから。賛成議員や執行部が水面下で反対議員を説得する動きもある。

 一方、議決案件ではないため、どのような形で「議会の判断」を諮るかが課題として浮上している。「これだけの批判があれば市長も強行突破はできない」と市幹部。野坂市長は取材に対し「できれば年内に協定を結びたいので(12月定例会中に)議会に再び話をする」と語った。


【読売新聞】島根原発の安全協定 締結巡り揺れる議会
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news/20111129-OYT8T01169.htm

早期か内容充実か

 福島第一原発事故を受け、中国電力・島根原発松江市)の防災対策として、県と米子、境港両市が中電に求めている原子力安全協定の締結に向けた交渉が大詰めを迎えている。県と両市は年内の締結に向けて合意しており、議会との協議を進めていく。協定が締結されれば、原発に隣接する県では全国初めてという。県は28日に県議会全員協議会で説明したが、一部の議員からは早期締結に対して慎重な対応を求める声も出ており、今後は議会の対応が焦点となりそうだ。(野口英彦)

 原発の半径30キロ圏内に位置する米子、境港両市は、福島第一原発の事故以前から再三にわたって中電に安全協定の締結を求めてきたが、中電は国が示した防災計画の範囲(EPZ、8〜10キロ)から両市が外れていることを理由に協議に応じてこなかった。

 しかし、福島第一原発事故では、EPZを超えて放射性物質の汚染が広がったことから、平井知事は国にEPZ拡大を求める一方で、中電に対しては5月に山下隆社長(当時)とのトップ会談で安全協定の締結を申し入れた。

 これを受けて、中電と県、両市の4者の協議は7月から始まり、県や両市は、中電と島根県松江市が結んでいる協定を基に独自に損害補償の際の仮払い措置などを盛り込んだ19項目を提案。今月25日に開かれた5回目の協議で、提案した全項目について、中電からの回答が出そろった。

 中電は、情報提供や損害の補償など15項目については同意したものの、原発への立ち入り調査や増設の際の事前了解など4項目については「立地自治体との関係を尊重したい」などとして拒否したが、県や両市の求めに応じて同原発内で説明に応じることを逆提案し、増設についても「事前に報告する場を設け、県や市からの意見には誠意を持って対応する」との姿勢を示した。

 中電の回答を受け、平井知事と米子市の野坂康夫市長、境港市の安倍和海副市長は26日に米子市淀江町で会談し、「1日も早い協定締結が必要」との認識で一致し、中電の回答を受け入れることで合意した。

 回答は実質的に立地自治体との協定内容にかなり近い内容であり、まず協定を締結し、住民の安全を確保することが先決だと判断したことから合意に至ったという。立地自治体に準じた権限が認められなかった点については、協定に「国の原子力防災対策の見直し状況などを踏まえ、改定を協議する」と明記することで、協定を見直す考えを明確にし、今後も中電との交渉を続けていく姿勢を示した。

 28日に開かれた県議会全員協議会では、これらの方針を県が説明したが、議員の賛否は分かれた。

 「電力会社の厚い壁を打ち破った」「可能なところから(電力会社に)歯止めをかけるべきだ」と評価し、早期締結を求める意見が出る一方で、「風向きによって鳥取県側でも被害が予想される。やはり、事前了解は安全協定に盛り込むべき」などと、早期の協定締結に慎重な対応を求める声も相次いだ。境港市は30日、米子市は12月1日に議会への説明を行う予定で、各議会での反応も注目される。

 早期締結か、協定内容の充実か――。中電との交渉が最終段階を迎える中、県民の安全安心を最優先した議論が求められている。

原子力安全協定

 原発を運転する電力事業者が、地元自治体と結ぶ安全協定。中国電力は、島根原発については、原発の増設の際の事前了解や原発への立ち入り調査などを内容とする協定を島根県松江市と結んでいる。ほかにも、同社は今年1月に同県出雲市と、原発で異常があった場合の情報提供を定めた「情報連絡協定」を締結している。

(2011年11月30日 読売新聞)