【中日新聞】【福井】国の対応「全体主義」 もんじゅ集会で前福島県知事が講演+【ニコニコニュース】利権の巣窟・原子力帝国は「復活しつつある」 佐藤栄佐久元福島県知事
【中日新聞】【福井】国の対応「全体主義」 もんじゅ集会で前福島県知事が講演
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20111204/CK2011120402000125.html
2011年12月4日
国の原子力政策を厳しく批判する前福島県知事の佐藤栄佐久さん=敦賀市のプラザ萬象で
敦賀市内で3日に開かれた高速増殖原型炉もんじゅの廃炉を求める集会では、前福島県知事の佐藤栄佐久さんが講演。原発の安全性に疑問を訴える意見を排除してきた国の対応を、独裁政治の「全体主義」にたとえて厳しく批判した。
佐藤さんは、同市東洋町のプラザ萬象で「フクシマ原発の真実」の題で、知事時代に国と渡り合った経験を披露。原発の規制当局が安全性に警鐘を鳴らす学者や福島県の意見を受け入れてこなかったとし、「日本の原子力全体主義が福島の事故を起こした」と述べた。
敦賀は観光資源に恵まれており「もんじゅがなくても十分にやっていけるまちだ」とも呼び掛けた。
集会は1995年12月8日にあったナトリウム漏れ事故に合わせた恒例のものだが、今回は例年以上の盛り上がりを見せた。原子力発電に反対する福井県民会議の小木曽美和子事務局長は「脱原発のうねりが周辺に拡大し大きくなってきている」と手応えを語った。
プラザ萬象での集会に先立ち、参加者はもんじゅ対岸の白木海岸で「原発震災を引き起こしたフクシマ事故を、二度と繰り返してはならない」と即時廃炉を求める抗議文を決議。もんじゅのゲート前で運営する日本原子力研究開発機構の職員に手渡した。
(立石智保)
【ニコニコニュース】利権の巣窟・原子力帝国は「復活しつつある」 佐藤栄佐久元福島県知事
http://news.nicovideo.jp/watch/nw156969
2011年12月4日(日)12時40分配信
東日本大震災以前より、経済産業省などが推し進めてきた原子力行政に対し、強く反発してきた元福島県知事の佐藤栄佐久氏は、2011年11月30日に行われた自由報道協会主催の記者会見に出席。現在もなお、官僚機構が主導する強権的な原子力政策について、自身の経験を踏まえた上で痛烈に批判した。
佐藤氏は、かつて知事を務めていた福島の視点から、様々な原子力政策の問題(放射性廃棄物中間処理施設問題、プルサーマル強行問題、原発トラブル隠し問題など)を提起した上で、
「原子力発電所をとにかく復活させ、原子力政策を元に戻そうという力が強力に働いている」
と述べ、原発に関わる諸問題の解決が無いままに、原子力行政が再び動きだそうとしていることに危機感を募らせた。続けて、
「原発に裏切られ続けた知事時代も、原発事故後の現在も、敵は、東京電力ではなく経済産業省である」
と語り、「"原子力帝国"はすなわち、"官僚帝国"である」との見解を示した。
■市民には一切届かなかった「正確な情報」
会見中、ジャーナリストの上杉隆氏より、政府内でも意見が分かれている「除染」の問題、方法論について、どういった判断をすることが正しいのかと問われると、佐藤氏は、会見場のバックパネルを福島県地図に見立て、福島第1原発より半径20キロ圏内の警戒区域内であっても、地域によって、空間放射線量にかなりの違いがあることを熱心に説明した。その上で、「具体的に、汚れている所と汚れていない所(を区別して)、具体的な(除染の)展開をしていく必要がある」と述べ、福島県浪江町などの深刻な放射能汚染を例に、県内の汚染状況を正確に把握し、実態に即した除染作業を行うことが必要であると訴えた。また、佐藤氏は、説明の過程で原発事故発生当時を振り返り、
「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)がどうのこうのという判断があったが、(市民には)正確な情報は全然流れなかった」
と述べ、原子力災害発生の際に情報公開の原則が守られなかったことに対し、佐藤氏は改めて遺憾の意を表した。
佐藤氏はまた、経済産業省などの官僚機構以外にも、そうした権力に追随する有識者らによる学会にも問題があると強調した。社会に対して学会が真の役割を果たすためには自己の良識に従うべきとの考えを示し、責任の所在をあいまいにしようとする学会に対して、
「学会も含め、この"原子力帝国"を、何とか国民の民主的な体質で動かせるように、(講演などの活動で)頑張って行きたい」
と、決意を語った。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 上杉氏の除染に関する質問から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72619260?po=news&ref=news#1:05:22
(内田智隆)