バイバイ原発・京都 のブログ

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【全日本仏教会 宣言文】原子力発電によらない生き方を求めて

全日本仏教会 宣言文
http://www.jbf.ne.jp/2011/12/post_214.html

原子力発電によらない生き方を求めて

東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散により、多くの人々が住み慣れた故郷を追われ、避難生活を強いられています。避難されている人々はやり場のない怒りと見通しのつかない不安の中、苦悩の日々を過ごされています。また、乳幼児や児童をもつ多くのご家族が子どもたちへの放射線による健康被害を心配し、「いのち」に対する大きな不安の中、生活を送っています。

広範囲に拡散した放射性物質が、日本だけでなく地球規模で自然環境、生態系に影響を与え、人間だけでなく様々な「いのち」を脅かす可能性は否めません。

日本は原子爆弾による世界で唯一の被爆国であります。多くの人々の「いのち」が奪われ、また、一命をとりとめられた人々は現在もなお放射線による被曝で苦しんでいます。同じ過ちを人類が再び繰り返さないために、私たち日本人はその悲惨さ、苦しみをとおして「いのち」の尊さを世界の人々に伝え続けています。

全日本仏教会は仏教精神にもとづき、一人ひとりの「いのち」が尊重される社会を築くため、世界平和の実現に取り組んでまいりました。その一方で私たちはもっと快適に、もっと便利にと欲望を拡大してきました。その利便性の追求の陰には、原子力発電所立地の人々が事故による「いのち」の不安に脅かされながら日々生活を送り、さらには負の遺産となる処理不可能な放射性廃棄物を生み出し、未来に問題を残しているという現実があります。だからこそ、私たちはこのような原発事故による「いのち」と平和な生活が脅かされるような事態をまねいたことを深く反省しなければなりません。

私たち全日本仏教会は「いのち」を脅かす原子力発電への依存を減らし、原子力発電に依らない持続可能なエネルギーによる社会の実現を目指します。誰かの犠牲の上に成り立つ幸福を願うのではなく、個人の幸福が人類の福祉と調和することを願います。

そして、私たちはこの問題に一人ひとりが自分の問題として向き合い、自身の生活のあり方を見直す中で、過剰な物質的欲望から脱し、足ることを知り、自然の前で謙虚である生活の実現にむけて最善を尽くし、一人ひとりの「いのち」が守られる社会を築くことを宣言いたします。

   2011(平成23)年12月1日

財団法人 全日本仏教会



(参考資料)
財団法人 全日本仏教会とは
http://www.jbf.ne.jp/d00/

現在、日本には約75,000の伝統仏教の寺院・教会・布教所等があり、それらの多くは、いずれかの宗派(教団)に所属しています。財団法人全日本仏教会は、その中の主要な59宗派を中心に、都道府県仏教会・各種仏教系団体等も加盟した、我が国の伝統仏教界における唯一の連合体です。

現在、本会に加盟している104の宗派・団体に所属する寺院は、全国寺院数の9割を超えています。

本会は1900(明治33)年、国家の宗教統制に反対して結成された「仏教懇話会」に淵源を持ち、「大日本仏教会」「日本仏教連合会」等を経て、1957(昭和32)年、財団法人全日本仏教会となり、今日に至っています。

本会には、財団運営の中心となる理事会・常務理事会・評議員会、日常の事務を行う事務総局、様々な課題を検討するための専門委員会等の機関がおかれ、日本の仏教界全体を対象とした、さまざまな活動を展開しています。

まず本会は、加盟団体相互の連絡・情報交換・研修・親睦等をはかる為の日常的活動、災害発生時の被災者支援等を行っています。また神道キリスト教新宗教の連合体と共に財団法人日本宗教連盟を構成し、仏教界を代表して他宗教との連絡や政界・官界への折衝に当たっています。さらに世界仏教徒連盟(WFB)の日本センターとして、海外の仏教徒との交流を推進する窓口にもなっています。