【転載】再生可能エネルギーへのシフトは「第4の革命」! 脱原発活動家の飯田哲也氏が訴え
記事掲載元サイト:http://jp.devex.com/news/4th-revolution.html
再生可能エネルギーへのシフトは「第4の革命」! 脱原発活動家の飯田哲也氏が訴え
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2011年 11月30日 BY 村木 沙耶
写真(右):映画上映後、講演する環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長。再生可能エネルギーへシフトすることによって「石油と核をめぐる戦争から太陽による平和へ」とのメッセージを送る
太陽光や風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーへのシフトは、農耕、産業、ITに次ぐ「第4の革命」になりうるのか―? ドイツ映画「第4の革命」の特別先行上映会(主催:ユナイテッドピープル)が11月24日、都内のJICA地球ひろばで開催された。上映会では環境エネルギー政策研究所(ISEP)の飯田哲也所長が「エネルギーシフトと日本の未来」のテーマで講演。「再生可能エネルギーで地方にデモクラシーを取り戻そう」と訴えた。
「再生可能エネルギーは“大した発電量にならない”と思う人も日本には多い。だが実は現在の電力需要の1万倍の電力を生む潜在力がある。再生可能エネルギーへの世界全体の投資額はこの10年で1兆円から22兆円へと20倍以上に拡大している」
映画上映後、講演する環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長。再生可能エネルギーへシフトすることによって「石油と核をめぐる戦争から太陽による平和へ」とのメッセージを送る
こう訴えるのは、脱原発を支持し、エネルギー政策の転換を日本政府に提言してきた飯田所長だ。環境面だけでなく、経済面からみても再生可能エネルギーへのシフトは「第4の革命」になると主張する。
講演のなかで飯田所長が最も強調したのは、再生可能エネルギーへのシフトが地方経済の活性化をもたらす点だ。
原子力や火力など従来の発電設備は規模が大きく、それゆえにその運営・管理は電力会社をはじめとする大企業や国家のもとに置かれてきた。これに対して、再生可能エネルギーの発電設備は技術的に小さくて済む。このため地方自治体や住民がオーナーシップを持ち、それによってエネルギーを自給自足することが可能になる。これは地方経済の活性化につながる。
ただ理解すべきは、日本にも再生可能エネルギーが普及していなくはないことだ。飯田所長は、電力業界を取り巻く収益上の構造を問題視する。
「日本に風力発電所が一番多いのは青森県で、200基以上の風車がある。このうち市民が出資するのはたったの3基。このため青森県民は(いくら再生可能エネルギー設備が県内にあっても)固定資産税や地代以外の収入は得られない。利益の大部分は大企業へと流れていく。これで地方にデモクラシー(民主主義)があると言えるだろうか」
地域ごとに設置できる小規模電源は、とりわけインフラが未整備な途上国の農村部を電化するのにも有効だ。「第4の革命」の映画の中でも、人口の8割が電力にアクセスできないというマリ(アフリカ全体では6割が電力にアクセスできない)での取り組みにスポットが当てられている。
さらに映画では低金利貸し付けによるBOPビジネスで知られるバングラデシュの「グラミン銀行」のエネルギー事業の事例も取り上げる。同銀行は、自然エネルギーによる小規模な発電機の管理方法について地域の女性らに教育し、住民自らがその知識を広めていくというフローを整えてきた。小規模発電は、電気を生み出すだけではなく、女性の社会進出をも支えている。
「第4の革命」は、再生可能エネルギーをデンマーク、ドイツ、マリ、バングラデシュに導入しようとする企業家・活動家を追ったドキュメンタリー映画。ドイツでは2010年に劇場公開され、ドキュメンタリー映画としては異例の13万人を動員した。テレビでは約200万人が視聴したといわれる。
日本では12月17日から、東京・渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷でロードショーされる。劇場以外でも、全国各地で自主上映もスタートする予定で、目下のところ受け付け中。配給会社であるユナイテッドピープルの関根健次代表は「この映画をきっかけに全国でエネルギーシフトへの動きを盛り上げるため、劇場だけでなく、学校や公民館など様々な主体によって広めてほしい」と話す。
映画「第4の革命」ウェブサイト
http://www.4revo.org/
映画予告編
http://www.unitedpeople.jp/archives/262
ユナイテッドピープルウェブサイト
http://www.unitedpeople.jp/
NPO法人環境エネルギー政策研究所ウェブサイト
http://www.isep.or.jp/