バイバイ原発・京都 のブログ

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2月10日に実施した関電との話し合いの記録

話し合いに先立ち以下の抗議文を提出しました。

関電側;広報担当;3名
使い捨て時代を考える会;3名

抗議文
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危険な原発運転は許せません
高浜4号機の再稼働に抗議します
原発から撤退してください
高浜原発4号機を2月に再稼働させるため1月30日に起動をしたとの報道がありました。このことに強く抗議し、直ちに停止させることを求めます。
高浜4号機は昨年10月の定期検査中に蒸気発生器伝熱管の損傷が見つかりました。蒸気発生器につながる配管に作業員が入って点検した際、異物が混入し、その異物が運転に伴って移動して、伝熱管に接触したのが原因と推定したとのことです。2018年の定期検査時に混入したものと推定されていますが、約一年間もこの状態が放置されて気づかなかったということに愕然とします。細管の減肉が進んだら大事故につながったのではないかと恐れます。簡単な人為的な原因だけに、防ぎようのないこととも言えます。どんなに気をつけてもこのようなミスは生じます。原発を動かすこと自体が限界なのではないでしょうか。原発の安全は止めること以外にあり得ません。高浜原発を再稼働させず、直ちに停止することを求めます。
10月に発覚した金品受領問題の全容も明らかになっていません。原発を動かすのに金品が介在したとはあまりにも破廉恥なことであり、危険な設備を動かしているという自覚のなさにあきれはてます。この問題で原発関係の役員が交替し、全容が明らかになった時点での岩根社長の辞任も伝えられています。経営体制の混乱のさなかでの原発運転は無責任であり、危険の極みと言わざるを得ません。常識では考えられないことです。重大な事故が起きたら責任ある対応ができるのでしょうか。住民の安全はだれが守るのでしょうか。
また、大飯原発、高浜原発の大山噴火による火山灰の層厚評価について規制委員会も認めた新知見が明らかになったにもかかわらず、対策を取ろうとせず、先延ばしにしていることも大変な問題です。東電では津波対策を先送りにしたことが大事故につながりました。
稼働中の大飯原発も直ちに停止させてください。 
直ちに原子力からの撤退を表明してください。
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このあと事前に提出した以下の質問書にそって話し合いました。
質問書………………………………………………………………………………………
1.高浜町元助役森山栄治氏が関与した高浜原発に関する金品受領に関して、第三者委員会が設置されましたが、2019年末までとされた調査報告は延期され、いまだに真相解明に至っていません。いったいいつになったら金品受領の実態が明らかになるのでしょうか。経営トップが辞任するという事態の中で原発を動かし続けていますが、もし重大事故が起きたらだれが責任をもって対処するのでしょうか。高浜原発再稼働は、いわゆる「原発マネー」の不正なやり取りで進められたということが明らかになりましたが、安全性を第一にという貴社の主張との間に齟齬はないのでしょうか。
2.高浜原発4号機の蒸気発生器の損傷が発見されましたが、原因は定期検査時の作業時に異物が混入したと「推定」したとのことです。「推定した」とは「原因がわかっていない」ということと同義と考えますが、それでも再稼働を進めることは常軌を逸しているとしか思えません。なぜ動かすことができるのか、安全第一という貴社の方針と齟齬がないのでしょうか。
3.高浜3、4号機のテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の完成が遅れているとのことですが、大飯原発美浜原発に関してはどうなっているのでしょうか。
4.1月27日に高浜原発3号機から使用済みのMOX燃料を取り出したとの報道がありました。
使用済みMOX燃料はどのように処理するのでしょうか。
5.貴社の大山噴火に伴う火山灰等の影響評価が過少であると批判されていますが、これについて貴社の見解をお聞かせください。
6.貴社は、温暖化対策も考えて原発を維持していると説明していますが、神戸製鋼が2021年に稼働しようとしている大規模な石炭火力発電所の電力を購入するため神戸製鋼電力需給契約を結び、温暖化ガスをはじめ環境負荷の非常に高い石炭火力発電を推進しています。説明が矛盾しているのではないでしょうか。環境負荷の高い原発も石炭火力もやめるべきではないでしょうか。
7.電力自由化によって貴社から他社へ切り替えた消費者を取り戻す動きが活発化していますが、まずは社内の浄化を先に行うべきではないでしょうか。
8.厳しい経営環境下で経費削減の努力をしておられると思いますが、原発の安全性や送配電の健全性は十分に配慮、維持されているのでしょうか。
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話し合い内容 Q(こちら側の発言〉A(関電の発言)
Q (抗議文読み上げのあと)公益事業ということを自覚していると思うが、まさか高浜4号機を動かすとは思っていなかった。減肉はずっと問題になっている。総交換はお金がかかるから見つかるたびに栓をしてきた。減肉が大きいところだけ栓をしているが技術的に分かっていない。金品問題もある中で再稼働はとんでもない話だ。抗議文は岩根社長に届けてもらいたい。
A 本店に伝える。

(質問1金品受領について)
A 私どもも新聞報道で知ったのだが、2/7の報道によると(金品受領の)報告は来月出るということだ。調査の進捗状況については承知していない。最終報告が出たら再発防止に取り組む。安全性ということだが、報告が出るまでは岩根が責任を持ってやっていく。地元や現場作業員と密に連絡を取ってやっている。(安全第一という)主張との齟齬はないと考えている。
Q 金品受領を岩根さんのもとで解明するということは、都合の良い「第三者」ではないのか。常識では退いて第三者に託すものだ。なぜ岩根さんはとどまっているのか。
Q 社内での協力が足りなくて調査に時間がかかっているという見方があるが、岩根社長のもとで進んでいないのではないか。問題は小さいという「圧力」があるのではと、社会的にみられている。調査が遅れていること自体がそれを表しているのではないか。そういう状態でなぜ再稼働させるのか。
A 12月に中間報告があった。報告は年内がめどだったが達成できなかった。解明するのに時間がかかっている。協力が進んでいないとは中にいて実感できない。対象が広がっているのではない。調査にはきちんと対応する。
Q 社内調査でだいたいわかっていたはずだ。第三者委員会も当事者以外のものが選考するはずが疑問だ。根の深さを感じる。
Q 学校のイジメ事件では教育委員会が第三者委員会を立ち上げるが、被害者は納得せず外部に第三者委員会を立ち上げ実態が分かるというケースが多い。それと同じではないか。ひどい実態でないように誘導する、社長は退かない―これではダメだ。
A
 教育委員会の第三者については存じていないが、日弁連ガイドラインに則って決めたので、代表は但木弁護士で相撲部屋の暴力事件に対処した方であり、どちらに寄っているということはないし、主観的に決めたのではない。当社の役員との接点はない方だ。岩根が選んだわけではない。
Q 日弁連ガイドラインには幅がある。マスコミも含めて疑念がある。
A 承知している。
Q 今までの疑念ではなくて汚職まみれの中で進められてきた再稼働には格別の不信感がある。そういうお金で動かしてきたことを自覚してほしい。 
Q 発注もそうだ。危険だ。
(質問2高浜4号機の損傷について)
Qどうして動かせるのか。安全点検では細管を全部取り換えるのではなく不具合があったら替えると聞いた。減肉の程度もすごい。金属片で削られたのではなく化学的な理由ではないか。調査が十分にできていない。どこで何が起きているのかわからない。栓をしていないところで何が起きているかわからない。なぜ再稼働を急ぐのか。運転したら何が起こるか分からない。金の問題がかかわっているだろう?
A 「推定」とはいろいろ可能性を検討して、それ以外あり得ないということだ。
Q あいまいにして稼働を進めるのは常識で考えてありえない。可能性を消していってとは信じられない発想だ。
Q 学校の採点なら点数がつけられない回答だ。他の細管でも起きているのではないかと考えるのが当然だ。
A(同席の男性が答えた)傷を確認したら摩耗減肉と考えられるとした。
Q 犯人を特定せずなのか。
A(同席の男性が答えた) モノ(異物)は見つからなかったけど再現試験をした。傷は異物ででき減肉した。点検時に異物が入ったのだろう。
Q どういう方法で確認したのか。
A 通常は閉じているので入ることはない。
Q この件についての報告書をもらえるか。どんな再現試験をしたのか確認したい。異物は何かわかっていないとは不思議なことだ。
A 報告書については検討する。

(質問3特定重大事故等対処施設について) 
A大飯原発は2022/8/24、美浜は2021/10/25だが約1.5年延長で間に合わない。高浜は定検に入る。工期短縮に努力している。
Q 高浜は止まるということか。
A  そうだ。
A(男性)2019年4月から規制庁との意見交換を行っており、早期完成に向けて取り組んでいる。どのくらい遅れるかは未定である。  
Q必要だと分かった施設が今はできていないのになぜ動かしているのか。規制委員会があいまいなことを言っているから、といって関電はそれでいいのか。そんなことは起こらないだろうとしていて東電は事故を起こした。関電の存亡がかかっている。事故で会社はつぶれる。動かしているということは規制委員会が間違ったことを言っているという表明に他ならない。理不尽に規制委員会が規制しているとしているのではないか。規制委員会に頼まれて再稼働しているのか。
A 原子力事業は重要なので再稼働している。特定重大事故等対処施設はテロ対策施設で航空機などによるテロから冷却装置を守るものであるが、冷却機能をもつ施設で、冷却には他でも備えているが念には念を入れてという施設と認識し、早期完成を目指している。

(質問4MOX燃料について)
A これまで8回取り出した。再処理までの間、MOX使用済み燃料ピットで保管している。処理については明確なことは示せない。再処理に間に合うように処理方法を確立させる。
Q MOXは発熱量が大きい。中心部の温度が高くなる。技術的に不安定だ。制御が難しい。四国電力は小量でも難儀している。MOX核燃料サイクル維持のために実験もどきのことをこの段階でやっている。
Q 処理法の確立までにどれぐらい年月が必要なのか。
A 具体的なめどがあるか確認しておく。
Q 
四国電力が立ち往生していることをどう考えるのか。プルトニウムとウランの分離は不可能だ。
Q
 日本はプルトニウムを持ちすぎていると国際的に批判されている。これ以上増やしてどうするのか。

(質問5火山灰について) 
A大山のことはブレーンストーミングをして検討した。過少に評価しているとは思はない。
A 2019年6/19に規制委員会から層厚評価の見直しを言われ、9/26に再計算した。それが過小評価であるという批判か。
Q そうだ。  
A 風向きのケースをシュミレーションして12月は19.3㎝、22㎝で申請した。矮小化したものではない。噴出も厳しい条件でやっている。

(質問6石炭火力について) 
A日本はエネルギー自給率が低い。エネルギーの多様性を考えている。石炭は入手が安定している。
Q 日本は石炭に偏っていると世界から批判されている。再生可能エネルギーにもっと力を入れてもらいたい。最近は買取価格の低減など切り捨てる方向にあるのではないか。再エネをつぶす方向で動いていますね?

(質問7、8経営について)
Q電気料金が安くなるという宣伝が送られて来ているが、関電の経営は厳しいのではないか。
A はい。
Q 経営努力なのか。どこから黒字を出しているのか。固定資産と営業経費の削減か。有価証券報告書で調べ、福島事故前と後で比較すると原子力部門は増えているが、他は大幅に減っている。送電は27%の削減だ。そういう状況で送電が維持できるのか。削減できるとすると今まで高い電力を売っていたと思える。独占禁止法違反ではないのか。発電、配電を関電が押さえている。値下げの資金はどこからきているのか。数字を挙げて説明してもらいたい。
設備の削減とすると、そのことがもとで強風で送電線が倒れたら電力供給はできなくなる可能性もある。経費をへらせばいいというものではない。
A  次回に説明したい。
A (もう一人の男性社員)もう時間ですから。
Q 関電は一流ブランドなのに倫理感、正義感がなさすぎる。社員の皆さんに頑張ってもらいたい。


高浜4号機のことや原発マネー事件に時間を費やし、後半の質問に対して十分な説明が得られないまま、追及する時間がなかった。問題が多すぎるせいだが、もっと質問を絞る必要があるかも。次回は経営内容についてじっくり説明してもらう予定。